寂しい日本ダービーの日
私は競馬が趣味だ。
もうファン歴は30年以上になる。
もともときっかけはオグリキャップか。
よくは覚えていないが、有馬記念をテレビで見てからのファン。
その後ダービースタリオンという競馬ゲームで深みにハマり、馬や人のストーリーから馬券の検討まで、なんでも好きだ。
家族ができてからは時間や資金も限られるようになり、今はおとなしく細々と馬券を嗜む程度だが、それでも欠かさず馬券を買う日々だ。
競馬ファンにとって、ダービーは特別な日だ。
今日は日本ダービー。
私はここ10年以上ダービーは決まった人たちと過ごしていた。
行きつけの飲み屋の仲間でバーベキューをするのだ。
その中でダービーを楽しむ。
1年に1回だけの特別な日。
毎年この日が楽しみだ。
酔いながらあーでもないこうでもないと予想をしながら、時には自分の、そして仲間の子供の相手をしながら、ダービーをみんなで見て楽しむ。
…が、今年は行けない。
誘いも来なかった。
当たり前といえば当たり前だ。
もう7ヶ月、店に顔を出していない。
長男の入院の事実はわかっているし、これないと思っているのだろう。その通りだ。
でも私がいない7ヶ月で色々動いているはずだ。
新しい常連もできただろう。
長男は一応帰宅はできていて、家族は家にいることはできている。
しかし、それでも今回は参加しなかった。
行きたいのだが、長男を連れていったこともある場所に私だけ行くのは、やはりできない。
きっとわかると長男は残念がるだろう。
寂しい。
私は今、忘れ去られる恐怖のようなものを感じている。
今まで仲良くしていた人たちが離れていっている。
居場所が減っていく。
少し話が逸れるが、仕事の面でも同じだ。
今の自分はいろんな場面でよくしてもらっている感じがある。
職場の中でも、職場を離れて人と接する時も、両方だ。
それは自分が今、職場の中では重要なポジションにいるからであり、それなりに社会的信用のある仕事をしているからではないだろうか。
息子のこともあり、出世は諦め、仕事を辞めることを考えている。
辞めてしまえば自分には何が残るのだろうか。
同世代で出世している人や財をなしている人、明るく楽しそうに趣味に没頭している人など、自信ありげに振る舞っている人を見るたびに、これから先の自分のことを考え、気持ちが重くなる。
私も生き方を変えて前向きに行けば良いのはわかっている。
自分の能力にも少しは自信がある。
しかし、こういうちょっとした出来事のたびに、心がマイナスの方向に進んでいく自分がいる。
今回のダービーは家で馬券を買って楽しむ。
せめて馬券が当たれば良いが…