二度泣いた息子
なかなか薬の効果が出ず
尿蛋白が下がってこない長男。
それでも外出許可が出て家に帰れた時は、本当に嬉しそうにしていた。
土曜日外出から病院に帰って、日曜日に再び尿検査。
±が出てしまい、息子は静かに泣いた。
ベッドでうつ伏せになり、泣いた。
その後先生が特別に外出の許可を出してくださり、家に帰ることができた。
2日続けての外出。
完全に復活した息子は、元気に二男と1日を過ごした。
家族で長男が一番好きな餃子を作った。
形はいびつだし、はみ出しているから焼くのも一苦労だったらしいが、味は最高だった。
家族が一緒なのはやはり良い。
いつものように兄弟喧嘩。
全くいうことを聞かず、おもちゃを取り上げられた長男はとうちゃんに八つ当たり。
そして思い切り叱る。これもいつものこと。
風呂に入る。仮面ライダーのフィギュアが入ったボール型の入浴剤を浴槽に入れ、泡と共にわくわくしながら待つ。
残念。持ってるのと被ってしまった。
すねる長男。だろうね。
もう20時が迫っている。
病院に戻らなければいけない。
いつもとは違う空間に。
戻る準備は嫌な顔せずにした。
「じゃあねー」
「にいに、またね」
外に出てドアを閉めた瞬間。
息子は泣いた。
声を上げて泣いた。
帰りたくないとか
病院に行きたくない
とは言わない。
ただただ泣いていた。
私は運転しながら、泣いていた。
車で10分ぐらいだろうか。
病院に着いた時にようやく泣き止んだ。
しかし、
夜間受付の女性にも、
病棟の看護師にも、
「戻ったよー」
と言っていた。
男のプライドかな。
かっこいいよ、我が息子。