転院が延期に
どういうことだ。
そう思った。
大学病院への転院が2日後に迫った午後、妻からのLINEがあった。
「転院無しになったって」
はあ?
すぐに付き添っている義母に電話をした。
前日に嫌な予感はあった。
急にサイトメガロウイルスを調べるために採血して欲しいと大学病院から言われたと説明があった。
今になって?と思ったが、まあ仕方ないかと思っていた。
その悪い予感が当たったということか。
回診時の説明によると、大学病院からの指示で行った検査の結果が、外部委託の業者に出すため間に合わず、それが出るまでは入院できないと言う。
「こちらのミスもあるので…」
と言うが、それは大学病院がダメなのでは?
「いえ、他にも検査しておく項目を疎かにしてたところもありまして…」
結局、今の病院も大学病院も、どちらも確認不足があるということらしい。
今回はさすがに頭に来て、冷静さを装いながらも、結構キツめに言ってしまったかもしれない。
主治医に
「本当に申し訳ありません」
と何度も謝られた。
それにしても…だ。
息子の状態が一番不安だ。
今せっかく蛋白がマイナスの状態を維持できているのに。
これが悪化すると、薬の効きが悪くなるらしい。
電話で話す妻は、悔しさで涙が止まらない。
自分も気持ちは同じだ。
これが原因でまた数値が悪くなったらと思うと、やるせないじゃないか。
そして、念には念を入れて職場に迷惑をかけないように考えたプランも、あっさり白紙になってしまった。
3月と4月では状況が180度変わってしまうんだよと思いながらも、もうどうしようもない。
せっかく良いタイミングで行けると思っていたのに。
息子の状態も良かったのに。
今は息子の状態が悪くならないことを祈るしかない。