ストレスと治療の間で
小児ネフローゼ症候群で入院している息子の状態はあまり変化はない。
数値が悪くなったり良くなったり、体調が悪くなるようなこともなければ、退院が近づくような良い傾向も見られないという状態だ。
最近は入院した当初の頃のような、「最短で」という考えはしなくなった。
少し前までは、どうしたら早く退院できるだろうかという視点で考えていたので、多少きつい治療であっても良いかなというふうに思っていたが、どうやら焦りは禁物だということがわかってきた。
やはり薬の副作用が怖いということだ。
従って最近は、焦らずじっくりと(まあそれでも一喜一憂してしまうのだが)進めていければと思っている。
ただ、入院生活がかなり長くなり、息子のストレスは気になるところだ。
息子は、納得して入院しているし、自分の病気のこともかなり理解していると思う。5歳にしては現状を受け入れてよく頑張っている。
しかしそこはまだ小さな子供だ。
元々活動的な息子であるから、狭い小さな空間でしか暮らせないストレスは相当なものだろう。
時折ぼそっと呟く「早く退院したいよ」が胸に痛い。
そんなことを加味してか、主治医も週末には家に戻ることを許すことが多くなった。
昨年末あたりは、明確な数値的な改善が見られることが条件で一時帰宅を認められていたが、今はそこまでの改善が見られなくても、良くも悪くもそこまでの急激な変化がなければ帰宅を認めてくれるようになった。
病院側も難しい判断なのだろう。私たち家族に「判断はお任せします」ということが多くなった。
家族が(特に妻が)この病気に対して勉強していることを病院側もよく理解しているからだろう。
我々家族も判断が難しいところだ。
本当は病院にいた方が安心できる。
家に帰ると、数値が悪くなることが多いのだ。なぜかはわからないが、尿の蛋白が多くなる事が多いのである。
はしゃいでいるからだろうかとか、家で食べさせているのもが悪いのだろうかとか、色々考えてしまう。
しかし、長男のストレス、そして家族がみんな揃う幸せを考えると、帰宅して過ごす時間はかけがえのないものだ。
ストレスと治療の間で、私たちはもがいている。