とうちゃん、いやだ
二男の心の叫びなのだろう。
「とうちゃん、いやだ。ママがいい!」
平日は毎日18時前に保育園に迎えに行く。
インターホンを鳴らし、保育園の先生と玄関に出てきて、私の姿を見つけると、さっきの台詞だ。
「とうちゃん、いやだ!ママがいい!」
顔は笑っている。
泣いているわけではない。
保育園の先生は、何ともいえない顔をする。妻が長男の付き添いで迎えに来れない事情を知っていることもあり、私が置かれている状況を考えると、気の毒に思うのだろう。
あまり深刻に感じられても困るので、私は、こう言う。
「はい、出ました!毎日の決まり文句ー。すいませんね、父ちゃんで。でもしょうがないのよー」
二男は泣くわけではないので、一応すぐに自分と共に手を繋いで帰るのである。
その後は全くいつも通りで、2人で風呂に入り、夕食を食べ、二男の好きなしまじろうかワンワンの番組を観て、一緒に布団に入るのだ。
別に私といて嫌だと言うことはないし、悲しがることもない。
でも、だ。
きっと心の叫びなのだろうなとは思う。
小さいながらも今の現状を理解していて、ママと一緒に居れないのはわかっているのだ。
でもちょっとだけ本音が言いたい。
それが保育園での
「とうちゃん、いやだ!ママがいい!」
なのだろう。
実は迎えの際、窓越しに二男の様子を見ることができる。
インターホンを鳴らした後、先生は、
「○○(二男の名前)くーん、お迎えでーす」
と言う。
ここで二男は迎えが来たことを知ることになる。
時々「誰が迎えに来てるかなー」と外の方を見て探すことがあるのだ。
そして私を見つけた時の顔。
何とも微妙な顔をする。
ガッカリしたような、
やっぱりなというような、
まあ仕方ないか、というような。
私はあれが二男の心からの表情なのだろうなと思っている。
2歳が気を遣っているのかと思うと、切なくなるが、受け入れていくしかないのだ。
週末はママに会えるよ。
思いっ切りママに甘えな。