厳しい現実
今までで一番希望が見えていたのに、一番厳しい現実を突きつけられた。
心が折れかかっている。
最低でも2ヶ月の入院が必要だと言われて始まった入院生活。
そこから半年が経った。
とても長かったが、必死にやってきたからか、何とかやってこれた。
いろいろな治療法を試し、ようやく薬が効いていると感じたリツキサン治療。
明るい兆しが見えてきたところだった。
「順調に行って、あくまで順調に行って、あと半年で保育園に通えます」
主治医からの言葉だった。
直接聞いたわけではないが、妻がLINEで教えてくれた。
これまで半年。ここから半年。
1年かかるのか。
それも順調に行って。
もしかするともっと長くなるかもしれない。
息子は1年、病院や自宅で過ごすことになるのか。
いろいろ考えた。
この1年でできるはずのことができない。
行事もそうだろうが、体力面や精神面が心配になる。
体の成長は止まっている。大きな差になっていくだろう。
息子はショックを受けるだろう。
そもそも、保育園にいるうちにちゃんと戻れるのだろうか。
「○ちゃん、もたないな」
次に思ったのは、義母のことだった。
私たち夫婦が共に仕事ができるようにするために、昼の長男に付き添ってくれている義母。
流石にあと半年お願いしますとは言えない。
もう無理だ。
妻が、
「私が休むしかないでしょ」
と言っている。
自分の仕事の責任の重さからそう言っているのだが、まあ今休むということであればそうであろう。
しかしこの先のことを考えると、本気で自分が辞めるタイミングを考えなければならない。
妻はまだ若いし、先がある。
自分は出世の道からは外れたし、そうなると発言にも説得力はなくなる。
いい歳をしているし、普段から偉そうなことを言っているが、もうすでに今の仕事には居場所がなくなりつつあるのだ。
まだ多くの同僚が気づいていないだけで。
できれば退職金が上乗せされる勧奨退職をしたいと考えていたが、無理かもしれない。
仕事柄、年度途中でハイさようならとはできるものでもない。
次年度引き継ぐ準備をしないことには、そう簡単にやめられるものでもないだろう。
いつにする。
どのタイミングで決めたらいい。
セカンドキャリアについてもどこかに相談できればいいのだが…